【狩猟エッセイ】狩猟ノウハウ塾に行ってきた|入会そして退会

山では狩りをするだけではない。キノコや山菜も採れる。ノウハウ塾ではセリやアミガサ茸、クレソンを見た。どれもスーパーで買うとほんのひと束で150円以上する。山を少し登ると山椒の木があって、葉っぱを1枚ちぎると清涼感のある香りが広がった。

狩猟の実態や山の楽しみを知ったわたしはその場で入会を決意した。ノウハウ塾の帰りにいただいたイノシシの肉がおいしかったことも、入会を後押しした。

真空パックのイノシシ肉

イノシシは薄くスライスして塩胡椒で焼くだけでも結構おいしいが、ほんの少し獣くささを感じる。イノシシの個体差や捕獲の時期でも味が変わるので、初めてイノシシを食べるときはそれなりにおいしさが担保されているお店や信頼できる人からもらうのが良い。変なイノシシの肉を食べてイノシシって美味しくないなと思ったら、それはもったいない。

イノシシは豚肉のように脂身が多いが、豚肉よりもさっぱりしていて胃もたれしない。見た目によらず上品な甘みのアブラだ。

ジビエが好きな人なら焼いただけでもおいしい

獣くささが苦手な人は、煮込み料理にすると気にならなくなる。ホールトマトと赤ワインで煮込むと肉が柔らかくなり獣くささも全く気にならなかった。

 

その後、狩猟団体に入会して1度集まりに参加したが、その直後に退会した。集まりが性に合わなかったわけではない。

退会した一番の理由は、自分自身の仕事や他の趣味と狩猟の両立ができないと思ったことだ。

このブログもそうだが、サウナエッセイやポッドキャストにもっと力を入れていきたいと考えている。アイディアはあるが実現できていないこともたくさんあるので、狩猟とブログ等を天秤にかけた時にブログ等をやりたい気持ちが大きかった。

そして、2つ目の理由は心身の状態が狩猟に適していなかったことだ。これは、たっぷり時間があるから大丈夫!と思っている人にも当てはまることがあるかもしれないので、狩猟を始める前に読んでおいてほしい。

狩猟に適さない心身の状態その1 精神疾患(うつ病、躁うつ病、統合失調症など)

わたしは不安障害で精神科に通院している。不安障害という病名は狩猟免許の不適合項目に記載されていないが、狩猟免許が取得できるかグレーゾーンだ。

狩猟免許を取得するときは健康診断書を提出する必要がある。また、家族や職場などに聞き取り調査をするときに病気の状況を聞かれる可能性もある。

精神病を患っている人は不適合項目に記載されている・いないに関わらず、まずは免許を取得できるか警察署に相談をすることをおすすめする。

狩猟に適さない心身の状態その2 難聴

わたしは片耳の聴力が平均的な聴力の半分しかない。障害者認定されない程度のごく軽度の難聴なので普段生活する上ではほとんど不便を感じない。正確に言うと不便なことはたくさんあるけれども、慣れた。そして、耳が聞こえないからと言って日常生活においては生命の危険を感じるような危ない目には合わない。

ところが、狩猟の現場ではトランシーバーを使う。ドラマや映画で聞くトランシーバーの音声を思い出してほしいが、実際はあれよりももっとザラザラした音がする。集まりに参加した時にトランシーバーを持たされたが、話している内容をほとんど理解することができなかった。

ひとくちに難聴と言っても聞こえ方は人によって異なると思うが、わたしの場合は溶けた耳小骨の代わりにセラミックの人工骨を入れているのと、鼓膜がたるんでいるため、一音一音の輪郭がぼやけて聞こえる。音が鳴っているのは分かるけれども、にじんだ絵のように不明瞭出内容を理解することができない。

難聴だけでなく、狩猟の現場をなるべく詳細にシミュレーションして不得意なことがないか確認しておいた方が良い。

 

いずれも、下調べをしておけば事前にわかったことなので、軽率に団体に入会してしまったことは反省する。

こうしてわたしの短い狩猟生活は終わった。

 

でもまだつづく…

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この記事を書いた人

サウナ短歌の第一人者。サウナスパ・プロフェッショナル。公衆浴場コラムニスト。お問い合わせはインスタ・TwitterのDM、またはHPの問い合わせフォームからお願いします。

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