【狩猟エッセイ】狩猟ノウハウ塾に行ってきた|狩猟の基本知識と実態 なぜ猟師が増えないのか?

狩猟は、大きく分けて2種類ある。
ひとつは魚釣りのような趣味の狩猟。こちらは狩りができる期間が鳥獣保護管理法によって定められている。地域によって異なるが、だいたい秋から冬が狩猟してもよい期間だ。

環境省HP「狩猟制度の概要」

環境省の「狩猟制度の概要」によると狩猟期は

安全確保の観点から、農林業作業の実施時期や山野での見通しのきく落葉期等を勘案

とある。

つまり罠や猟銃など人に被害を与える危険性があるので、できるだけ安全性を担保できる期間にしか狩猟をしてはいけない決まりになっている。

一方で、狩猟期以外でも許可された期間であれば通年を通して狩りをしても良いのが有害鳥獣捕獲だ。こちらは、農林水産業の被害の防止や個体数の調整が目的になる。

農林水産省資料「捕獲に関する基礎知識」

ひとくちに狩猟と言っても、適用される法律や目的は様々だ。

写真はイメージです

わたしが参加した狩猟ノウハウ会は、こうした基礎知識の座学と、狩猟場所を実際に見てまわる現場見学の2部構成だった。

冒頭で述べた猟期と害獣駆除の違いについてもノウハウ塾で教わるまで全く知らなかった。親方*からざっくばらんに何でも聞いてと言われたので、座学開始直後に「そもそも狩猟の目的って何なんですか?」と聞いて教えてもらったのだった。

*親方=狩猟チームのトップの呼び名。親方のルールは絶対。親方の方針はチームごとに異なる。

歳を重ねて良かったことは、神経が図太くなることだ。若い頃であればこんな初歩的な質問はできなかったと思う。年齢に関係なく質問できる人もいるけれど、わたしはプライドが邪魔をしてこんなことも知らないのかと思われることが怖かった。

30代後半になってから段々と周囲からバカにされるんじゃないかという恐れがなくなってきた。バカにする人とは付き合わなければいい。世界の人口は78億人もいるのだ。付き合う相手はいくらでも選べる。

午前中の座学では、狩猟に関する法律や有害鳥獣被害や個体調整の実態などについて教えてもらった。農業の被害は猪や鹿が主な原因で6割近くを占める。そうした被害を減らすために官公庁は個体調整と言って有害鳥獣の個体をいくつまで減らそうという目標値を定めている。

ところが、ここ10年で定めた目標は全く達成されていない。猟師の数も年々減っていく一方だ。

現役猟師の年齢は60代以上が大半だ。原因は色々あるけれど、話を聞いて一番に思ったのはベテランが若い猟師を受け入れる環境が整っていないことだろうと感じた。

狩猟にはリスクが伴う。
獣は人間をズタボロにしてしまうパワーがあるし、猟銃の取扱い方を誤るとケガやサイアク命を落とす可能性がある。誰かを殺めるリスクもある。リスクを抑えるには、一緒に猟をする仲間同士の信頼関係が大切だ。どこの馬の骨とも分からない新人をチームに招き入れて、手当たり次第に銃をぶっ放されたのではたまったもんじゃない。

安全に新人を組織に加入させるノウハウを持っている団体がほとんど存在しないということだ。

つづく…