【サウナ短歌】レディースデイなサウナ

サウナは男性文化だ。

終電がなくなるまで働いて、サウナに行き、汗を流して、ビールで1日の苦労を労う。そして併設されたカプセルホテルに泊まり、次の日も朝から働く。24時間働けますか? のキャッチフレーズが流行っていた高度経済成長期を支えたジャパニーズビジネスマン。

彼らを裏で支えていたのがサウナだ。

モーレツ社員が活躍した昭和が終わり、平成も過ぎて、令和になった。女性が働くことが当たり前になった今でもなお、サウナだけが男性文化を続けている。このサウナに行ってみたい! と思ったら、男性専用施設だった……とがっかりする。女性サウナーなら誰もが経験しているはずだ。

ところが、最近、その慣習が徐々に変わってきている。女性サウナーの増加を機に、男性専用施設がレディースデイを開催することが多くなってきた。

レディースデイには、ここぞとばかりに女性客が押し寄せる。憧れの男性専用施設に足を踏み入れると、見渡す限りの女性、女性、女性。身近に女性のサウナーがいない私は、一体今までどこに隠れていたの? と不思議に思う。

集まったからといって、その場で仲良くなるわけではない。人見知りであるから、積極的にサウナ友達を作りたいかと言われると少し抵抗がある。それでも、女性サウナーの数を目のあたりにして、”女性サウナーがいる”という事実を確認したくなることもある。

今、たった一日に集結した私たちレディースは、レディースデイが終わればまた、街に散らばっていく。次に街で出会っても、その人がサウナーだなんて分かりもしない。

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この記事を書いた人

サウナ短歌の第一人者。サウナスパ・プロフェッショナル。公衆浴場コラムニスト。お問い合わせはインスタ・TwitterのDM、またはHPの問い合わせフォームからお願いします。

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