【サウナ短歌】腰掛け湯に長居しちゃうサウナ

 お風呂に入っていたら、マッサージの時間に少し遅れてしまった。マッサージ師のおばちゃんが言った。
「ね。銭湯の40分って、家のお風呂に入るのとは違って、あっという間でしょう?」

 確かに、おばちゃんの言う通りだった。そこには、露天風呂があり、腰掛け湯があり、2種類のサウナがあり、いつまでも眺めていたいようなしなやかな身体を持った東南アジアの入浴者がいた。

 浅黒い健康的な身体で水風呂の中を泳ぐ姿は、わたしに行ったことのないジャングルを思い起こさせた。バナナの葉が生い茂った先に小さな沼があり、ひそやかな笑い声を立てて水浴びをする彼女たちの引き締まった身体が見える。

 そんなことを考えていると、あっという間に40分が過ぎてしまうのだ。

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サウナ短歌の第一人者。サウナスパ・プロフェッショナル。公衆浴場コラムニスト。お問い合わせはインスタ・TwitterのDM、またはHPの問い合わせフォームからお願いします。

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