【サウナ】山梨 ふじやま温泉|富士山のふもとで味わう極上のサウンドセラピー

サウナ短歌
ドモホルンリンクル式のロウリュは富士のめぐみを音で味わう

滴が落ちるたびにサウナストーンから蒸気がでる

ふじやま温泉|富士山のふもとで味わう極上のサウンドセラピー

2021年6月19日にサウナをリニューアルしたふじやま温泉に行ってきた。

富士急ハイランドのとなりにあり、ジェットコースターやお化け屋敷で遊んだあとにぜひ寄ってほしい純和風の温泉施設だ。富士急ハイランドからふじやま温泉の間を走る無料送迎バス*もある。

*2021年6月現在は運行休止中

新しいサウナの名前はFUJIYAMA SAUNA。 サウナブームの火付け役となったマンガ家 タナカカツキさんオリジナルのタイル画をサウナ室に設置した他、富士山の天然水を使ったオートロウリュ*が導入された。

*熱したサウナストーンに自動で水をかけて蒸気を発生させること

サウナ室の温度は低めの82度。湿度も比較的低めで息苦しさを感じないサウナだ。最近のサウナブームによって、サウナはより熱く!水風呂はより冷たく!とエクストリームな方向に舵を切る銭湯・サウナが多い中で、幅広い客層に向けたやさしい設定は好感がもてる。

平日ということもあり、温泉はガラ空きだった。サウナ室はわたし以外に誰もおらず貸切状態。リニューアル直後のFUJIYAMA SAUNAは新しい木材の香りがして気持ちが良かった。スギの芳香のような爽やかな香りが呼吸をとおして身体全体に満ち、深くリラックスできる。

タナカカツキさんのタイル画は遠慮がちにサウナ室の奥に設置されていた。落ち着いた照明のサウナ室の中で唯一スポットライトに照らされたタイル画は、ひしゃくで富士山にロウリュする様子が描かれている。つやつやのタイル画ひかりを照り返し輝きを放っていた。

男性用と女性用ではデザインが異なる

 

タイルの銭湯絵は意外と珍しい。あるにはあるのだがわたしが今までに行った50件程の銭湯・サウナにタイル画はなかった。多くの銭湯絵はペンキ絵だ。ダイナミックなペンキ絵に比べて、タイル画は繊細なきらめきが特徴だ。ペンキ絵がゴリゴリの整体だとしたら、タイル画は心身をやさしく解きほぐすロミロミマッサージといったところだろうか。どちらも銭湯・サウナのリラックス効果を増してくれるがほぐし方が異なる。

さらに心身を解きほぐしてくれるのが、ドモホルンリンクル式のロウリュだ。ふじやま温泉では30分に1回たっぷりな水をシャワーでサウナストーンに注ぐオートロウリュを行っているのだが、オートロウリュの合間にもシャワーにたまった水滴がサウナストーンに落ちてきた。

およそ30秒に一度、じんわりとシャワー口にたまった滴が自らの重さに耐えきれなくなってサウナストーンへと落下する。ジュッとか細い音を立てて蒸発する姿が儚い。

しかもこの水は富士山の天然水というから、富士の源泉からサウナストーンに落下するまでの悠久の道のりを想像してしまう。この滴は源泉から湧き出た時にはたしてサウナストーンで果てる命を予想していただろうか?サウナしきじ *の水風呂になる人生だってあったはずなのだ。

*静岡のサウナ。富士山の天然水を使用したまろやかな水風呂が有名

だからわたしは一滴一滴を感謝のまなざしで見守った。ドモホルンリンクルの抽出を見守る製薬工場のスタッフのように。そして、静かに最期の音に耳を澄ました。等間隔にジュッと果てる音がサウナ室に響く。極上のサウンドセラピー体験だった。

純木造の浴室&美肌の湯|サウナ以外にも魅力がたくさん

ふじやま温泉の魅力はリニューアルされたFUJIYAMA SAUNAだけではない。100坪を超える広い純木造の浴室は、サウナのタイル画とどちらを推すべきか悩むほどすばらしい。

ケヤキやヒノキ、マツを使ったむき出しの太い梁は迫力がある。富士山の恵みバナジウム水のお湯に浸かりながら釘を使わない伝統工法の梁を心ゆくまで眺めるのがおすすめだ。建築には詳しくないが、伝統的な建築物には様式美があると感じた。

さらに、富山の天然水を使用した水風呂はさっぱりとした肌あたりが心地よかった。水に恵まれた地域の水風呂ならではの良さで、都内ではなかなか味わえない。同じ富士山の天然水を使用している静岡のサウナしきじの水風呂がなめらかな肌ざわりなのに比べて、同じ富士山水でも施設によって質感が変わるのは大きな発見だった。同じ水系の水風呂を入り比べて利き水風呂をするのも楽しいかもしれない。

温泉の泉質も良いらしく、地元の人にふじやま温泉の行き方を尋ねたときには「お肌がつるつるになって美人になっちゃうよ!」と言われた。天然の保湿成分と言われるメタケイ酸を豊富に含んでおりしっとりきめ細やかな肌になるのだとか。

残念ながら泉質の違いがわかるような敏感な肌の持ち主ではないので効果のほどは分からなかったが、頻繁にサウナや温泉に入っているおかげか肌の悩みは全くない。特別なスキンケアをしなくても適度にハリとうるおいを保っている。

ちなみに、サウナがダイエットになると思っている人がいるが、はっきり言っておく。サウナでは痩せない。もしサウナにダイエット効果があるならば地元サウナを牛耳る常連のオバちゃんはみんなガリガリのはずだが、真逆のことが多い。

ニューノーマル時代の旅行スタイル|ぼっち旅の極意

今回、バスタ新宿から高速バスに乗ってふじやま温泉に行った。当初は最寄駅の富士急ハイランドで下車をするはずだったのだが、富士急ハイランドに近づいてきたところで急に気分が変わって、そのままバスに乗り河口湖駅へ向かった。サウナ前に河口湖の湖畔を散策しようと思いたったからだ。

河口湖駅に到着したのは朝9時頃。駅前は閑散としていて、観光客が来ないからかロープウェイは運休していた。

湖畔のウォーキングトレイルも人が少ない。地元の人らしい犬の散歩をしているおじさんと、釣り人たちしかいなかった。わたしはここで働く人たちの心配をする反面、ずっとこんな旅がしたかったと密かに心が踊っていた。

誰もいないウォーキングトレイルには鳥の声と湖面を揺らす水の音だけが響いていた。観光客でごった返していた時には感じられなかったのびやかな景勝地の姿がそこにはあった。人が歩かないおかげで草花は伸び放題になっていてトイレルの道すじを覆いつくしているエリアがあるほどだ。

夢の中で自分以外誰もいない世界にいることがある。そんな時は、ひとりでやっていけるだろうか?という不安のドキドキと、冒険のドキドキが混じりあったなんとも言えない高揚感をもったまま目が覚める。現実の世界は人・人・人で時折りすごく疲れる。

この日の河口湖は、まさに夢の中の理想郷のようだった。

河口湖(みずぶろ)の体感温度は16度 ちょうどいい

 

誤解のないように言っておくが、決して閑散とした状況が続けばいいと思っているわけではない。ただ今しかできない経験をニュートラルに捉えたいだけだ。閑散としているのは寂しい。お店が閉まっていたりロープウェイが運休していたりするのは残念だ。だけど、予想外にわたしの冒険心は満たされた。光と影はいつもワンセットだ。

一人きりで行ったサウナ旅だったが、現地にそれなりにお金を落とすこともできた。サウナに入り、地元の交通機関に乗り、現地で食事をして、お土産もたくさん買った。朝採れのブルーベリーや山椒の実、富士山のかたちをしたチョコレート、ほうとう、ワイン……旅先では財布のヒモがゆるむ。

帰りにバスに忘れてきてしまったブルーベリー 大粒でおいしかった……

 

しかも一人きりなので、一切しゃべらない。ぼっち旅、孤食、ひとり呑みはニューノーマル時代にマッチしていると思う。長年プロぼっちとしてやってきたが、やっと時代が追いついてきた。

繰り返しになるが、決してこの状況が続けばいいと思っているわけではない。でも方法を変えれば厳しい状況の中でも楽しむことはできるのだ。

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