【平塚】湘南ひらつか太古の湯グリーンサウナ ~己の成長を確かめる場所

あれは19歳の夏だったと思う。平塚の七夕祭りに友だちと遊びに来たときに、お祭り前に、ここ湘南ひらつか太古の湯グリーンサウナに立ち寄ったことがあった。

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友だち曰く、いい温泉が平塚駅の駅前にあるということだった。お祭り前に温泉にはいっちゃうなんてわたしたちシャレてるね、とはしゃいだ気がする。高校を卒業してはじめての夏だ。もう親に逐一誰とどこに行って何をするか報告もしなくなっていた。アルバイトもしていてお金もある。自由な夏だった。

その友だちは今は可愛い子どもが産まれて海外に住んでいる。わたしは各地を点々としたものの結局は関東に暮らしてこうしてひとり昔来たサウナに来ている。

 

当時の施設のことはうっすらとしか覚えていないが、浴室内に足を踏み入れた瞬間、清潔に保たれているものの古めかしいなと思った。でも20年近く前も古めかしいと思ったのだった。逆に20年も同じ水準の古めかしさを保っているなんてすごい。

 

しかし、露天スペースに出ると、新しく設置されたと思われるバケツシャワーの木製(か木製に見えるプラスチック製)バケツがぴかぴかと残暑の日差しを浴びて光っていた。テントサウナにヴィヒタもある。ミントの香りが心地よいロウリュは、なかなかキレのある熱波を届けてくれる若いお姉さんが担当してくれた。変わらないと思っていたけど着実に「今」を取り入れていた。わたしだってきちんとアップデートされているはずなのだ。たくさん恋をしてたくさん仕事をして、たくさん遊んで、そしてどちらかといえば苦手だったサウナを好きになった。あの頃は想像していなかった未来が、今は日常になっている。

 

浴室内はほとんどが地元の年配者で占められていた。あの時もそうだった。家族旅行で行く旅館の温泉しか知らなかったわたしたちは、地元の人が湯浴みする古めかしい温泉施設に緊張していた。いいらしい、と聞いて来てみたけれど、これが「いい」と言えるのかわたしたちには判断するための基準となる経験が圧倒的に足りなかった。一生懸命「いい」風に振舞っていたと思う。自由だと思って飛び出した世界は知らないことだらけで、自由を自由に謳歌するのに随分時間がかかったような気がする。

 

でも今は言える。太古の湯グリーンサウナは「いい」温泉施設だ。

 

ここで本日のサウナ短歌を一首。

ハッカ油の熱波を受けてそよぐ青濡れたタオルのヴィダルサスーン

 

【女子サウナ情報】

屋内サウナ80度、水風呂20度。なんと井戸水、恵の水。

露天スペースのテントサウナは、セルフロウリュOK、ヴィヒタあり。設置日は要確認!

薪とヴィヒタの香りに癒される。

 

盲導犬情報】

受付が混んでいて聞けなかったけど、下足エリアあたりに繋ぐことができそう。ただ施設内も浴室内も段差が多いので要注意。

 

 

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