※この記事は2017年8月の旅行を振り返っています。
香港を選んだ理由は特になかった。
日本から近くて安く行けて美味しいご飯が食べられるところ…となると候補はかなり絞り込まれる。グアムやバリなどの南国系か、韓国やシンガポールなどのアジア系。その中から、今まで行ったことがなかった香港に決めた。
香港ってジャッキー・チェン?それともブルース・リー?どちらにしたってアクション映画はほとんど分からない。
ただ、母親が香港のごはんは美味しいとしきりに言っていた。特にめん類がおいしくて、香港なら住めると思ったのだそうだ。
味にうるさい母がそこまで言うのだから本当においしかったのだろう。
とりあえずは、おいしごはんを食べるぐらいしか目的がないような旅だ。あまりに何もなさすぎてつまらないシリーズのエッセイになるかもしれないけど、
何もないと思うような日常にこそ忘れられない何かがある
というのがわたしのモットーだ。
思い出すままに香港シリーズを書き出してみようと思う。
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飛行機に乗る時はゆったりとした着心地の洋服を着るようにしている。せまい機内でもなるべくのびのびと身体を動かせるように締めつける服は着ない。
この日は、カーキのビックTシャツにデニムのゆるい短パンを着ることにした。
出発前の自宅でそれを見たダーリンが、いそいそと最初に着た服をぬぎ出した。
どうしたのかと思ったら、なんとカーキのTシャツにジーンズという出で立ちに着替え始めたのだ。
こうして、わたしたちは韓国人カップルのような格好で香港へ旅立つことになった。